東北歯内療法学会 Tohoku endodontic association

お知らせ

令和7年度 第7回東北歯内療法学会総会学術大会 報告

2025年10月13日(月・祝)、宮城県歯科医師会館5階講堂において「第7回東北歯内療法学会 総会・学術大会」が開催されました。テーマは「エンドペリオ病変の再考と歯内療法におけるチーム医療」とし、東北各県のみならず遠方からも多くの先生方、歯科衛生士・コメディカルスタッフ、学生の皆様65名にご参加いただきました。連休最終日の開催にもかかわらず、会場は終日にわたり活気にあふれていました。開会にあたり、大会長である宮城県歯科医師会会長 佐々木優先生よりご挨拶があり、本学術大会の趣旨とエンドペリオ病変に対する新たな視点の重要性について述べられました。


午前の部では、一般口演3題と質疑応答が行われました。各演題では、臨床症例報告や最新の研究、画像診断の活用、さらには日常臨床で悩まされる難治症例へのアプローチなど、多岐にわたる内容が発表されました。いずれの演題においても活発な質疑が交わされ、今回のテーマである「再考」と「多職種連携」をそれぞれの立場から見つめ直す貴重な機会となりました。


引き続き行われた歯科衛生士セッションでは、株式会社Tomorrow Link代表 濱田智恵子先生より「包括的患者管理から成功へと導く歯科衛生士の役割」と題してご講演いただきました。歯内療法を含む保存治療の成功には、術者の技量のみならず、歯科衛生士による継続的な患者管理・情報提供・モチベーション維持が不可欠であることが、具体的なケースや院内での取り組みを通して示されました。歯科衛生士である医療法人社団創世会ITO DENTAL OFFICEの山元春奈様より具体的な症例報告とその考察も発表頂き、患者背景や生活習慣に寄り添ったカウンセリングの実際、多職種チームの中で歯科衛生士が果たすべき役割など、明日からの臨床に直結する内容で、多くの参加者が熱心にメモを取る姿が印象的でした。


午後の特別講演では、大阪府開業で米国歯内療法学会専門医の横田要先生をお招きし、「エンド-ペリオ病変のマネージメント」および「歯内療法における現代のマイクロサージェリー」の2題をご講演いただきました。前半では、エンドペリオ病変の診断における考え方、歯周病変との鑑別、保存可能性の見極めや予後判定のポイントなどが、数多くの症例とともに明快に整理されました。後半では、マイクロスコープとCBCTを駆使した現代の歯内療法外科治療が、動画や写真を用いて詳細に紹介され、器具選択や術式の工夫、合併症への対応など、すぐに臨床に応用し得る多くの示唆が示されました。講演後の質疑応答も時間いっぱいまで続き、エンドペリオ病変とマイクロサージェリーの最前線を学ぶ大変充実した時間となりました。


閉会にあたり東北歯内療法学会会長 佐藤暢也先生(秋田県開業)よりご挨拶をいただき、本学術大会は盛会裡に終了いたしました。前日には市内にて懇親会も開催され、大学・開業の垣根を越えて情報交換と親睦が深められたことも、今後の地域におけるチーム医療推進の大きな力になるものと感じられました。最後に、本大会の開催にあたりご協賛・企業展示を賜りました20社の企業各位ならびに、準備・運営にご尽力いただいた関係各位に深く感謝申し上げます。


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